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2013年11月06日

マーケティングとデザイン:「ハウス食品」のカレールウ


「ハウス食品」のカレールウ「辛味順位表」


気がついた時には出来るだけ、村上龍さんの「カンブリア宮殿」を観ています。
デザインは「問題解決の手段」ですから、経営者の方のお話を聞く事は大変勉強になりますし、単純に番組としても楽しんでいます。

放送日時からやや時間が経ってしまったのですが、先日「ハウス食品」の回を観ました。
国民的な料理・カレーの話が中心です。

「ハウス食品」の「カレールウ」のラインナップは辛さのバリエーションに加えて、年代別のバリエーションがあります。
そのバリエーションを示す「図表」がパッケージの横にあるのですが、私も幼い頃はお使いの時には必ずここをチェックしていました。
大人になると辛いものも食べられますが、幼い頃に私が必ずこの「図表」をチェックしていたのは子供は辛いものが苦手、というよりも食べられないからでしょう。

このように、「辛さ」と「年代」を図表(「辛味順位表」と言います)で図示して貰えるのは、ファミリー層には大変便利です。
国民的な家庭料理であるカレーの場合、辛さという嗜好だけではなく、家族構成まで気を配っていなければならない事を「ハウス食品」は気付いていたんですね。

この図表は顧客の流出を防ぐ事にも役立っています。
「辛味順位表」を参考にして「カレールウ」を選んで来たお客様が、お子さんの成長と共に引き続き、ハウス食品のカレーを買い続けていただくのに役立つわけです。

「顧客流出を防ぐ」と書くと、売り手である企業側の都合に思われてしまうかもしれません。
しかし、これはハウス食品がお客様と真摯に向き合って、「カレーとは何か?」「家族とは何か?」「幸せな食卓とは何か?」という事を追求してきたという何よりの証明だと思います。

「辛味順位表」をデザインという事に違和感を覚えられる方も多くいらっしゃるとは思います。
しかし、お客様と真摯に向かい合ってきたハウス食品が、「パッケージ横に図表を記載する」という問題解決を図った事実は、デザイナーとしては胸を打たれずにいられませんでした。

今回はなんだか、「コロンブスの卵」的な記事になりましたね。


【関連URL】
カレーハウス | ハウス食品

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グラフィックデザイン:DESIGN+SLIM
http://designslim.net/


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